突撃!無人島の晩ごはん♪ 

 

鶏子: 作

 

「突撃リポーターの鶏子です。本日はマジンガーチームのサバイバルライフの模様をお届けします。科学の申し子たちが文明の利器に頼らず共同生活を送っています。早速覗いてみましょう♪」

「え〜と、海岸にどなたかいらっしゃると伺ったのですが…あ!いました!甲児君です♪甲児君が釣りをしてます!こんにちは〜」
「…あっちに行ってよ、魚が逃げるだろ…」
「おやおや?ゴキゲン斜めですね〜。ああ〜、バケツはカラッポ、ボウズですね♪あら、でもこちらには…なんとアワビが大漁!凄いじゃないですか!」
「……それは俺じゃないよ…」
「では一体どなたが?」
「やっほ〜!こーんにちはー♪」
「おお!沖のほうから手を振るのはジュンさん♪こーんにちはー♪さて海から上がってまいりましたジュンさんの手には…おお、サザエにウニ!これは凄い!素潜りで大漁、プロの海女さん顔負けです!ジュンさんにこんな特技があったとは!いったいドコで会得されたのですか?」
「…これもひとえに所長の教育の賜物です…」
「おお、さもありなん!さすがは兜剣造博士♪…でも訓練と称してご自分のツマミをゲットさせる気だったのではないでしょうか?」
「…その通りです」
「ご苦労なさったのですねぇ…さぁ、甲児君も負けないで頑張ってくださいね♪甲児君の釣りキチぶりは大変有名で、なんせあのもりもり博士がスポットを浴びた回でも…」
「っ!うるさいっ!とっとと去れっ!!」

「いや〜、失言でした♪甲児君、涙目になってましたね〜。さて、では山のほうへ向かってみましょう。ああ♪さやかさんが歩いています!こんにちはー♪何をされてるのですか?」
「山の幸採取で〜す♪ほら、こんなに採れました♪」
「おお!さすがは山育ちのお嬢様!山芋にマツタケ、そしてなんと!これはトリュフじゃないですか?!一体ココはドコなんでしょう!それにしてもこんな見事な黒ダイヤを掘り当てるとは、なんと、なんと凄まじい嗅覚ぅぅぅぅっ!」
「こほん!」
「え〜、ちょっと興奮しすぎてしまいました。大変失礼致しました…あの、ところでコレは?」
「このキノコ、すごーくキレイでしょ?赤に白い斑点が可愛いの〜♪」
「可愛いというより毒々しいような…これ、食べられるんですか???」
「もちろんコレは鉄也さん専用食です♪あの鉄也さんが美味しさのあまり陽気にはしゃいで踊りだすんですよ〜♪」
「それは一見の価値がありそうな…ところでその鉄也さんはどちらに?」
「山の奥のほうに入っていったけど…あ!そっちは行ったらダメーっ!」
「へ?…ぎょえ〜〜〜っ!なななな、なんなんでしょう?私の身体が網にかかり、宙に浮いてます!!」
「それ、鉄也さんが仕掛けた罠なの。ここから先は罠がたくさんあるはずよ。鉄也さん以外は立ち入れないの」
「そうでしたか…誠に残念ですが私のリポートはここで断念せざるを得ません!この後私は山海の珍味を相伴させていただきます!皆様、次回のリポートをお楽しみにーーっ!」



日のとっぷり暮れた寂しく冷たい森の中…
頭のてっぺんからつま先まで枝葉をデコレーションして地面に横たわり、自然と一体化してひたすら獲物を待つ男がひとり。
仲間たちは既に夢の中だというのに、この忍耐強さはいったい何処から来るのであろうか。

「…これもひとえに所長の教…イーックション!」

 

 END ★

 

 

 

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