「ストレス美女に御用心!?」

兜さやか

 

(スーパーロボット大戦シリーズワールドの中での1シーンです・・・)

 

初夏の日差しが波間にきらきらと反射している。梅雨の合間のある晴れた日。さやかとジュンは科学要塞研究所のベランダにデッキチェアを広げてくつろいでいた。甲児も鉄也もロンドベル隊と行動をともにしているため、パートナーの二人は激しい戦いの合間の束の間の休息を楽しんでいた。一足早く小麦色になろうと水着姿で寝そべる二人 − ターコイズブルーのワンピースのさやかと真紅のビキニのジュン。まるでダイアナンとビューナスが日光浴をしているようだ。


さやか「ねえ、ジュンさん」
ジュン「うん?」
さやかの問いかけにジュンは読んでいたELLEをテーブルに置く。
さやか「鉄也さんとどう?」
ジュン「どうって?」
さやか「甲児くんは最近『忙しい、忙しい』って全然相手にしてくれないの」
ふくれっつらがキュートだ。
ジュン「まあしょうがないんじゃないの?最近敵の攻撃も激しいんだし・・・」
さやか「でもちょっとドライブでも誘ってくれてもいいじゃない?おまけに最近アスカって子ともイイ感
じみたいだし・・・やな感じ!」
そう言うと手足を大の字に広げる。何のことはない。ヤキモチを焼いているのだ。
さやか「で、どうなの?鉄也さんは優しくしてくれるの?」
ジュン「・・・」
そう言われると鉄也も最近冷たい気がしてくるから不思議なものだ。夕べは一緒にレストランに行こうといっていたのに『疲れた』とキャンセルされたし・・・
ジュン「鉄也も同じよ」
さやか「そっか・・・あー、なんだかパーッと暴れたい気分よね!」
ジュン「そうね」
・・・とその時。敵の襲来を告げるサイレンが鳴り響いた。
ジュン「さてと。いいタイミングね」
さやか「一丁いきますか!」
見つめあい微笑む二人。デッキチェアから立ち上がりハイタッチ。格納庫に向かって走り出した。


出撃したダイアナンとビューナスが町に到着すると、目の前に市街地を破壊する4つの影が。
ジュン「平和な町になんてこと!」
さやか「私たちが来たからには好きにさせないわ!」
さやか・ジュン「レディロボットが相手になってあげるわ!!」
気配に気づき振り返る敵。ガラダK7、ダブラスM2、ズガール、ビラニアスだ。
ジュン「さやかさん、どうする?」
さやか「そうね〜ガイコツは気持ち悪いから任せていい?」
ジュン「しょうがないわね。OKよ」
ダイアナンはダブラスM2とビラニアスに、ビューナスはガラダK7とズガールに闘いを挑む。


さやか「ダイアナンキーック!」
ジャンプ一番、あいさつ代わりにダブラスにキックをヒットさせるさやか。もんどりうって倒れるダブラス。
さやか「どうだ!」
ジュン「やるわね!よーし、私もいくわよ!えーいっ!」
前方にとんぼ返り、ガラダとズガールの顔面に同時にキックをヒットさせるビューナス。
さやか「やる〜ジュンさん」
ジュン「まあね」
勝ち誇るジュン。しかしズガールが長い舌を伸ばし、ビューナスに巻きつける。
ジュン「いやーん!気持ち悪い!」
ビューナスはもがくが、身動きが取れない。
さやか「あっ!」
ダイアナンもダブラスの首に絡めとられてしまった。
さやか・ジュン「ちょっと!レディーに対して失礼よ!」
軋むボディ。もがくダイアナンとビューナス。大ピンチ!
ジュン「光子力ビーム!」
さやか「スカーレットビーム!」
なんとか舌と首を破壊した。
しかしビラニアスが腐食性のウロコを飛ばす。
さやか「キャーッ!」
ダイアナンの胸に体に、見る見る間に付着する。うずくまるダイアナン。
ガラダは両目からミサイルを連射。
ジュン「ああっ!」
まともにくらい、吹き飛ばされるビューナス。
ダイアナンとビューナスに襲い掛かる敵。大ピンチ!やっぱりレディロボットでは歯が立たないのか!?


・・・と思いきや・・・
さやか「よくもやってくれたわね〜!」
立ち上がるダイアナン。
さやか「昔の私たちだと思ったら大間違いよ!」
ウロコを払いのけるダイアナン。その美しいボディにはシミひとつ付いていない。
ジュン「伊達にロボットもパイロットも進歩してないのよ!」
こちらも無傷のまま起き上がるビューナス。
さやか・ジュン「お返しよ!ミサイル発射ぁ!」
一撃で爆発するガラダとビラニアス。
なおもダイアナンとビューナスを絡めとるダブラスとズガール。
ジュン「しつこい!」
首に巻かれた舌を引きちぎるビューナス。
さやか「悪いけど私のタイプじゃないの!」
胴体に絡みつく首に膝げりを入れるダイアナン。
ダブラスとズガールをつかみ、抱え上げるダイアナンとビューナス。もはや抵抗する力は残っていないようだ。哀れな敵たち。
さやか・ジュン「えーいっ!」
地面に叩きつける。
さやか「いくわよ!」
ジュンに目配せするさやか。
ジュン「オッケー!」
ウィンクで返すジュン。
さやか・ジュン「必殺・ヒップアターーーック!!」
レディーロボットの体重をまともに受けたダブラスとズガールは爆発四散した。
乙女のパワー恐るべし。


さやか「ふーっ、スッキリした」
ジュン「同じく」
立ち上がり、ヒップをさすりながら向かい合い、笑うダイアナンとビューナス。
ジュン「さあ帰りましょう」
さやか「ええ」
帰途に着く2体の女神。なんとか二人のイライラも解消されたようだ。その代金、機械獣・戦闘獣4体。とりあえずめでたしめでたしである。

 

 

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