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「ここにいたの？」
「ああ」
「主賓がいきなりいなくなってるから、どこに行ったのかと思った」
「何で俺がここにいるってわかった？」
「何でわからないと思ったの？」
「………………………」
「………なによ？」
「………かなわねーな、さやかには」
「何言ってるのよ、かなわないのはこっちよ。今度の留学の切符だって、甲児くん一人がゲットして私は選に漏れたんだから」
「俺、今あんま行きたくねぇんだけどな」
「なーに言ってんのよ。せっかくのチャンスじゃない」
「なぁ……、一緒に来ねぇ？」
「甲児くんの付き添いで？」
「そう。俺の嫁さんとして」
「………！！」
「一緒だったら楽しいと思うけどなー」
「………そ…そ…そりゃ確かに楽しいとは思うけど……、……半年……待ってよ」
「半年？」
「次の試験は半年後でしょ？ 私、今度こそパスして追いついてみせるから」
「………………」
「そしたら一緒に楽しくやりましょ」
「………さやからしい返事だな」
「そう？」
「ああ」
「何笑ってんのよ！！」
「いや、別に？ 明日から俺は金髪美人に囲まれてんのかと思ったらついつい笑いが……って、いてっっ！！」
「浮気したら許さないわよ！」
「プロポーズ断っといて浮気すんなってのは都合よすぎんじゃねーの？」
「断ってないじゃない、半年待ってって言ってるだけでしょ！」
「半年後の試験にパス出来なかったらどーすんの？」
「それは……！！」
「………………」
「わかったわよ、そしたら普通にお嫁さんになりに行ってあげるわよ！」
「おーおー、なりに行ってあげるとは随分な言い草だなー」
「悪かったわね」
「ああ、悪かったよ」
「……なによっ！ ホントはあたし、一緒に行きたいんだから！ だけどこのまんまじゃなんかイヤなのっ！！」
「……………わかってるよ」
「……………」
「それがさやかだもんな」
「……………」
「でも、俺だって半年が限界だからな」
「……………………ありがと。絶対パスして甲児くんの所へいってみせるから………」
「……………待ってるよ」
END