Diary

No.182

mio
私なりの答えってことで。
昔、これをちゃんとした1本の話にしようと思ってたら、甲児×さやかのお仲間が自作の同人誌を送ってきてくれまして。
その本、お話自体は全然違う内容だったんだけどここの解釈は同じで、しかも、その辺りのことを書いた数行が、私が当時打ってた文章と一言一句変わらないものだった…という奇跡のような偶然があったのでした。
なので、私の方は没りました(笑)



 『まなざし』

 あの目だ。
 甲児が欲しかったのはあの目だった。
 彼に向けられている彼女の目。それを自分に向けたかった。あの目が欲しかった。あの目をした彼女が欲しいと思った。あの目に焦がれた。それを恋情だと思った。
 けれど。
 実際の彼女と向き合ったとき。甲児の心は驚くほどに凪いでいた。
 自分は彼女が欲しかったのではなかったのか。彼女に恋情を抱いていたのではなかったのか。
 自問する中で甲児は、自分が欲していたのは彼女ではなく、あの「目」だったのだと知った。
 
 あの目を甲児は知っていた。知っていたはずだった。
 よくも忘れていられたものだ。
 かつて自分に向けられていたあの目。
 いつもは強気なその表情の中で、あの目だけは違う感情を訴えていた。
 それがなんだったのか、今ならよくわかる。

 気が付いてみれば馬鹿々々しい。
 まったくもって情けないことこの上ない。自分の感情すら見誤っていたなんて。 
 殴れるものならいっそ自分を殴ってしまいたい。
 心が動かなかったのは当然だ。甲児が欲していた目は、彼女の目ではなかったのだから。
 
 甲児が欲しかったのは、甲児が求めていたのは、甲児が自分に向けたかったのは、今はそばにいない人の目だった。
 あの眼差しは自分のものだった。自分だけのものだった。あの目でほかの誰かを見つめて欲しくない。
 どうやら自分はずっとそう思っていたらしい。

 おかしな態度を取ってしまった彼にも彼女にも土下座したい気分だった。
 そしてなにより。
 自分の愚かな勘違いを、あいつにだけは絶対に知られたくない。
 
 激しく落ち込んでいる甲児は気づかない。
 甲児が、今そばにいない「あいつ」を見つめていた時の目もまた、同じようなものであったということに。

 ENDたたむ

 
おそまつさまでした💦
何のどこを書いたものなのかはお察しくだされば幸いです。

駄文

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