Diary

No.182, No.181, No.178, No.177, No.176, No.175, No.1747件]

mio
私なりの答えってことで。
昔、これをちゃんとした1本の話にしようと思ってたら、甲児×さやかのお仲間が自作の同人誌を送ってきてくれまして。
その本、お話自体は全然違う内容だったんだけどここの解釈は同じで、しかも、その辺りのことを書いた数行が、私が当時打ってた文章と一言一句変わらないものだった…という奇跡のような偶然があったのでした。
なので、私の方は没りました(笑)



 『まなざし』

 あの目だ。
 甲児が欲しかったのはあの目だった。
 彼に向けられている彼女の目。それを自分に向けたかった。あの目が欲しかった。あの目をした彼女が欲しいと思った。あの目に焦がれた。それを恋情だと思った。
 けれど。
 実際の彼女と向き合ったとき。甲児の心は驚くほどに凪いでいた。
 自分は彼女が欲しかったのではなかったのか。彼女に恋情を抱いていたのではなかったのか。
 自問する中で甲児は、自分が欲していたのは彼女ではなく、あの「目」だったのだと知った。
 
 あの目を甲児は知っていた。知っていたはずだった。
 よくも忘れていられたものだ。
 かつて自分に向けられていたあの目。
 いつもは強気なその表情の中で、あの目だけは違う感情を訴えていた。
 それがなんだったのか、今ならよくわかる。

 気が付いてみれば馬鹿々々しい。
 まったくもって情けないことこの上ない。自分の感情すら見誤っていたなんて。 
 殴れるものならいっそ自分を殴ってしまいたい。
 心が動かなかったのは当然だ。甲児が欲していた目は、彼女の目ではなかったのだから。
 
 甲児が欲しかったのは、甲児が求めていたのは、甲児が自分に向けたかったのは、今はそばにいない人の目だった。
 あの眼差しは自分のものだった。自分だけのものだった。あの目でほかの誰かを見つめて欲しくない。
 どうやら自分はずっとそう思っていたらしい。

 おかしな態度を取ってしまった彼にも彼女にも土下座したい気分だった。
 そしてなにより。
 自分の愚かな勘違いを、あいつにだけは絶対に知られたくない。
 
 激しく落ち込んでいる甲児は気づかない。
 甲児が、今そばにいない「あいつ」を見つめていた時の目もまた、同じようなものであったということに。

 ENDたたむ

 
おそまつさまでした💦
何のどこを書いたものなのかはお察しくだされば幸いです。

駄文

mio
ケインの話、3話目。まだまとまってないけど、ここまでは多分決定。


--Uが終わったそのあとで おまけ--
『君が笑ってくれるなら』(3)

 彼が目を覚ました時、目の前にいた少女はマリアと名乗った。
 マリアは彼の目覚めを喜んで人を呼び、彼は大勢の人間に囲まれた。その中の白衣を着た初老の男性からいくつかの質問を受け、診察をされ、彼は「記憶喪失」だと診断された。
 その病名に周りの人間は複雑そうな顔をしたが、どこか安堵したようにも見えた。
 何も覚えていない彼のもとに、マリアは毎日のようにやって来た。そうしていろんな話をしていく。
 彼の名前はケインといって、彼女とは幼馴染なのだそうだ。
 彼はさっぱり覚えていなかったが、マリアは嬉しそうにケインとの思い出を語った。
 一緒に広い庭を駆け回ったこと、木に登って降りられなくなって彼が助けてくれたこと、勉強を抜け出しては𠮟られたこと。
 何を話しても全く思い出せないケインに対してマリアは徐々に落胆の色を滲ませるようになっていき、ケインはそれをひどく申し訳なく思った。マリアは隠そうとしているようだったが、その内心は隠しきれておらず、ケインの申し訳なさは募るばかりだった。
 しかしある時からマリアはそんな表情をかけらほども見せなくなった。そして、無理に明るくふるまうような、そんなそぶりがなくなって、ごく自然にケインのそばにいてくれるようになった。そんなマリアの態度に、ケインはようやく少し心の中の罪悪感を小さくすることが出来た。
 体力が落ちていてまともに動けないケインの介助をしてくれたのもマリアだった。なぜそこまでしてくれるのかと尋ねたケインに「ケインは私の数少ない友達で幼馴染なんだから当たり前じゃない」とマリアは笑った。その笑顔が可愛くて、ケインはマリアの笑った顔をずっと見ていたいと思った。マリアと過ごした日々のことを思い出したいと思ったのはこの時からだ。
 しかし、過去のことを思い出したいと思う反面、思い出すことはケインにとってなぜかひどく恐ろしくも感じられた。
 まだ体調に波がありベッドから離れられないケインの元へは、マリアだけでなく彼女の兄の大介と、友人だという甲児、さやか、ヒカルの三人もたびたび訪れた。彼らはケインを楽しませようと、綺麗な写真や絵の載った本や暇つぶしの遊具などを持ってやってきてはひとしきり話をしていく。その時間は楽しいもので、ケインの心の中から消えていかない焦りや不安をひとときなりとも忘れさせてくれた。
 しかしそんな中、時折ひどく痛ましそうな表情を向けてくる人物がいた。マリアの兄の大介だ。その目にこもっているのは記憶を失った自分への同情や憐憫だけではない気がした。単なる同情や憐憫の表情なら、目を覚ましてからずっと向けられていたからだ。
 自分は、彼からそんな顔で見られるような何かをしたのではないか。ケインはそう思った。失った過去はマリアの語るような楽しいことばかりではなかったに違いない。
 けれどそれを問いただす勇気は出せずに時間だけが過ぎていく。

たたむ

駄文

mio
バカである。
また、自分で文章打ちながら、自分で泣きそうになっている。

ケインの話進行中です。
ちょっと途中で詰まってます💦

雑記

mio
通販したZのBlu-ray一個目が届きました。
わーい!
でも、今私がいるリビングにはBlu-rayデッキがなくて見られない。
お正月休みまでには、2階の自室からBlu-rayレコーダーを下ろしてこなくては。
それよりいっそ、Blu-rayプレイヤー買った方がいいだろうか。
最近デッキで録画するほどのものは何もなくて。
テレビにつけたハードディスクで十分なんですよね💦
あとは配信で済んじゃうし。
Zに関してだけは手元に置いときたくて買ったけど。
グレートは北米版とやらを買うつもりでいるものの、グレンはどうしようかなぁ。
最近出たBOXはお高いし。
海外版で安く出てないだろうか?

雑記

mio
53周年の絵、いつもと違うやり方でXに上げてみた。
絵自体はサーバーにあるんだけど、Xからも見られる感じになってる…はず。
最近覚えたんです、これ。
こういう、プログラムってほどじゃないけどWEBの小技みたいのをいじってるのがすごく楽しい。

mio
53周年おめでとうな絵が出来た。
3日になったらXの方へ投稿します。
せっかく描いたんだから忘れないようにしなきゃ💦

解像度低いとえーあいが学習しないでスルーするっていうので、最近低解像度の絵をXには貼り付けている。
別ページ作る方がいいんだけど、それなりにめんどくさいので💦
スマホで見るとガッタガタの絵ばっかりだから転載もされないだろうしいいかなーと。
もうちょい綺麗な奴はこっちにアップします。

雑記

mio
ケインの話、2話目でーす。


--Uが終わったそのあとで おまけ--
『君が笑ってくれるなら』(2)

 彼は長い時間ずっと、闇の中を漂っていた。時折光が見えてもすぐにまた闇に意識を覆われてしまう。
 苦しかった。苦しくて苦しくてもがいて暴れてどうにかこの苦しさから逃れようとした。一瞬の光は救いのようでいて、逆に呪いのようでもあった。
 決してつかめないのに、どんなに焦がれてもそこにはたどり着けないのに、時折あらわれては彼を誘い招き、あっという間に消え去ってしまう光。彼は光を憎みさえした。
 けれどある時、光の方から声がすることに気づいた。何を言っているのかはわからない。でも、彼を呼んでいることがわかる。
 光が射すたびに聞こえるその声は余りにも必死で耳を塞ぎたくても彼に届いた。
 なぜこの声は自分のことを呼ぶのだろう。血を吐くような声で呼ぶのだろう。どんな顔で呼ぶのだろう。泣きそうな声で呼ぶのだろう。
 その声が余りに悲痛だったから。
 だから彼は、光が射したその時に、その声の主を慰めたくなったのだ。
「……泣かない…で……」
 そう口にしたとたん、闇が大きくはらわれた。ついで差し込んでくる眩しい光。
 光が意識を覆うほどに悲痛な声は消えてゆき、彼自身も「声」のことを記憶の中のどこかに埋もれさせてしまう。
 けれどそうやって、彼はある日、目を覚ましたのだ。

つづく
たたむ

駄文

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